2019年度ニュース
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[女性研究者の活躍]生命環境科学研究科 稲田のりこ 准教授
【大隅基礎科学創成財団研究助成に採択】
「クロマチン構造制御における細胞核内アクチン繊維の新規機能の解明」
生命環境科学研究科 稲田のりこ 准教授から
この度、大隅基礎科学創成財団の第3期(2019年度)基礎科学(一般)に採択していただきました。採択していただいたのは、「クロマチン構造制御における細胞核内アクチン繊維の新規機能の解明」というタイトルの研究テーマです。アクチン繊維は、真核生物の細胞の中にある繊維状の構造で、細胞の形の維持や制御、細胞内の物質輸送に働くと言われています。一方で、最近の研究で、遺伝情報の保持や遺伝子発現に関わる細胞核の中にもアクチン繊維が存在することがわかってきました。今回採択していただいた研究では、私がこれまで行ってきた植物の研究を基盤として、細胞核の中のアクチン繊維の新しい働きを提唱し、その仮説を新しい手法の開発とともに検証していきたいと思っています。
私は府大の准教授として着任して2年目になります。これまでに府大内の女性研究者支援事業(大阪府立大学女性研究者支援事業、RESPECT)にも採択いただいて、研究に必要な機器類を徐々に揃えてきました。それでも生命科学研究は機器も高額で消耗品にもお金がかかるので、まだまだ足りないものがたくさんあります。徐々に増えてきた学生さんの研究環境を整えるという意味でも、今回の助成は本当に嬉しく、ありがたく思っています。また何より、基礎研究としての重要性を評価いただいたということを考えると、これからもっと頑張らねばと身が引き締まる思いです。