2012年度IRISの活動

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「元気!活き生き 女性研究者・公立大学モデル 総括シンポジウム」を開催しました

更新日: 2012年11月30日

日時 平成24年11月30日(金) 13:00~17:00
場所 大阪府立大学 中百舌鳥キャンパス
プログラム 13:00-13:10  開会の挨拶
13:10-14:40  第Ⅰ部 政策と先進例の紹介
男女共同参画と研究力向上
佐藤 弘毅(文部科学省科学技術・学術政策局 基盤政策課 人材政策企画官)
大学教員のワーク・ライフ・バランスを考える
内山 智裕(三重大学 生物資源学研究科 准教授)
シャープにおけるダイバーシティ推進について
森 仁美
(シャープ株式会社 人事本部 人事部 ダイバーシティ推進チーム チーフ)
15:00-17:00 第Ⅱ部 学内からの報告
女性研究者支援事業報告
田間 泰子
(大阪府立大学 女性研究者支援センター長、人間社会学研究科教授)
女性研究者支援事業 利用者から
幸田 知子(研究支援員利用者、生命環境科学研究科 助教)
小笠原 紀行(つばさ保育園利用者、、工学研究科 助教)
尾崎 由季(IRIS、理学系研究科 博士後期課程)
久米 里奈(IRIS、工学研究科 博士前期課程)
各部局長からの応援メッセージ
これからの女性研究者支援事業について
奥野 武俊(大阪府立大学 理事長・学長)
参加者 167名(学内151名・学外16名)
主催 大阪府立大学 女性研究者支援センター
後援 大阪府、堺市、堺市教育委員会

大阪府立大学では、平成22年度に文部科学省から「女性研究者支援モデル育成」事業に採択され、24年度までの3年間、女性研究者、大学院生、学生、職員のための支援プログラムを実施してきました。これまでの3年間にわたる本学の女性研究者支援事業の成果を総括するためにシンポジウムを開催しました。

実行委員会を組織して総括シンポジウムの企画内容を協議しました。

実行委員会の様子

実行委員会の様子

これまでの女性研究者支援事業を振り返るとともに、今後の全学的な支援体制を定着、発展させることなどを目的として、各部局に協力を依頼し、教職員16名で組織する実行委員会を立ち上げました。

実行委員会では、平成24年5月の第1回会議を皮切りに、シンポジウムのテーマや内容、講師の選定などを協議しました。今回のシンポジウムを学内外にアピールするものにしたいと、熱い議論が交わされ、まず他大学や企業の先進例を学んだ上で、これまでの支援事業を利用した方々の生の声を聞き、今後について各部局長と理事長から話していただくというアイデアが生まれました。そのアイデアと熱意を汲んで、関係者の皆様にご協力していただき、シンポジウム開催の運びとなりました。

総括シンポジウム当日の様子

当日は、学内外から167名の参加者があり、会場も満員になりました。
森澤和子准教授(工学研究科)の司会のもと、まず田間泰子 女性研究者支援センター長から開会の挨拶がありました。
次に来賓のあいさつがあり、大阪府府民文化部 男女共同参画・府民協働課 藤井清課長から、大阪府 松井一郎知事のメッセージをいただきました。

次に堺市長 竹山修身氏のメッセージより、女性研究者支援センターの活動が、堺市の男女共同参画社会の推進に貢献している旨のメッセージをお寄せいただきました。

森澤 和子准教授

森澤 和子准教授

会場の様子

会場の様子

田間センター長

田間センター長

大阪府男女参画・府民協働課長

大阪府男女共同参画・府民協働課
藤井 清課長

第1部 政策と先進例の紹介

文部科学省科学技術・学術政策局 佐藤 弘毅企画官

文部科学省科学技術・学術政策局
佐藤 弘毅企画官

第1部は、女性研究者支援に関わる政策や学外の先進例を紹介していただきました。
文部科学省科学技術・学術政策局 基盤政策課 佐藤弘毅 人材政策企画官より、男女共同参画と研究力向上についてお話しいただきました。
まず、アンケートの結果などから、我が国における女性研究者数が徐々に増加傾向にあるものの、海外に比べて非常に少ないことや、指導的地位の女性比率が少ないこと、男女処遇差のあることなどの現状についてお話しされました。そういう状況を踏まえ、閣議決定された第4期科学技術基本計画や日本再生戦略について、また、「女性の活躍促進による経済活性化~働くなでしこ大作戦」によって研究者の環境整備を進めていくことが決定されたこと、その為の支援策として、研究者に対する奨励金の給付や次世代に対する支援、女性研究者支援事業などの今後の取り組みについて話されました。

三重大学 内山 智裕准教授

三重大学 内山 智裕准教授

続いて、三重大学の内山智裕准教授から、ご自身の育児体験をもとに大学教員のワーク・ライフ・バランスについてお話しいただきました。配偶者も仕事を持ち、両親も近くではなかったため、頼ることができなかった。大学教員だったので、裁量範囲が広かったこと、上司の理解があったことなどから、育児に積極的にかかわることができた。仕事より家事育児の方が大変な場合もあるという意識を夫婦二人がシェアすることから始まると思う。僕が主で妻が手伝う側だったと思っている。そのように意識を変える必要がある。ワークライフ・バランスを実現するためには配偶者の協力が必要であり、職場の女性比率を上げるだけで終わってはいけないと話されました。最後に、三重大学の取り組みの特徴と、大学で男女共同参画を実現するために必要なことについて話されました。

シャープ株式会社 森 仁美チーフ

シャープ株式会社 森 仁美チーフ

次に、森仁美チーフから、シャープ株式会社におけるダイバーシティ推進についてお話しいただきました。シャープ株式会社は、男女の区別がなく、総合職・一般職の区別もなかったのですが、2004年から、ポジティブアクションに着手し、部門を立ち上げて現場との連携やワーク・ライフ・バランスの拡充に取り組んできたこと。その後、ダイバーシティ推進チームでダイバーシティ・プログラムとワーク・ライフ・バランス支援制度の指示と定着を図っている。その取り組みとして、女性社員の活躍を推進するプログラムや、女性社員を対象とした研修など女性社員の戦略化プログラムについて話されました。また、せっかくある制度を上手く使ってもらうために、知ってもらうように発信していることなど話されました。成果としては、女性社員の海外勤務や管理職が増加したり、平均勤務年数の男女差が2年もない、母親社員率が増加するなどの効果について話されました。

第2部 学内からの報告

第2部は、真嶋 由貴恵教授(工学研究科)の司会のもと、学内からこれまで女性研究者支援事業を利用した方々からの報告や、各部局長、理事長・学長からのメッセージをいただきました。

真嶋 由貴恵教授

真嶋 由貴恵教授

まず田間センター長が女性研究者支援事業のこれまでの取り組みを報告しました。

次に、幸田知子助教から研究支援員を利用しての報告をしました。育児をするようになり、家事・育児・睡眠時間を取ると、仕事の時間が減ってしまう。ようやく最近になって、出張を伴う口蹄疫が発生した時の家畜防疫の仕事や、学会にも参加できるようになってきたが、これは研究室の方々、夫の協力、そして、研究支援員制度のおかげだと感謝しているとお話しされました。

次に、学内保育施設「つばさ保育園」を利用している小笠原紀行助教に報告しました。大阪府立大学への就職が決まり、堺市の認可保育園へは入園申込の時期がずてれいたため、入園が難しかったところ、つばさ保育園で受け入れてもらえた。そのおかげで、夫婦共働きのライフスタイルが継続でき、感謝しているとお話しされました。

最後に、IRISのメンバーからIRISの活動報告をしました。子どもサイエンス・キャンパスでは、子どもに科学の楽しさを知ってもらえたと思った時に、IRISをやっていて良かったと思った。オープンキャンパスでは、女子高校生とアットホームに話ができ、喜んでもらえた。その他に、IRISの研究発表会やサイエンスカフェ、IRISカフェなどの自主企画を通し、自分たちの研究に対する視野も広がり、成長につながったと思うと話しました。

田間センター長

田間センター長

幸田 知子助教

幸田 知子助教

小笠原 紀行助教

小笠原 紀行助教

尾崎 由季さん(IRIS)

尾崎 由季さん(IRIS)

久米 里奈さん(IRIS)

久米 里奈さん(IRIS)

次に各部局長からの応援メッセージをいただきました。
各研究科や職場の現状と、自らの経験など話され、文系理系を超えて女性研究者が長く研究を続けることができる環境を整え、女性研究者数を増やしていく必要性と、センターへの期待等を以下のようにお話しいただきました。


上甫木 昭春 教授(生命環境科学研究科長 代理)

上甫木 昭春 教授(生命環境科学研究科長 代理):
ワークライフバランスと女性の働く環境、女性だけでなく多様な人材を認識し、活用していくことの必要性について話されました。


池田 良穂 研究科長(工学研究科)

池田 良穂 研究科長(工学研究科):
海事産業で活躍する女性技術者を取り上げ、女性技術者の育成支援の必要性について話され、また、女性が働きやすい大学環境ができたので、工学研究科の女性教員の数を増やしていきたいと話されました。


前川 寛和 研究科長(理学系研究科長)

前川 寛和 研究科長(理学系研究科長):
アメリカの女性研究者との交流の経験から、仕事と子育ては男女平等であることを紹介されました。大学の方針に従いつつ、それを補う形で女性学生の育成、支援をしていきたいと話されました。


松川 滋研究科長(経済学研究科)

松川 滋研究科長(経済学研究科):
子育てに苦労して研究ができなかったというご自身の体験から、子育てをしている若手研究者の研究支援に全力を尽くしていきたいとお話しされました。


萩原 弘子 研究科長(人間社会学研究科)

萩原 弘子 研究科長(人間社会学研究科):ビデオメッセージ
人間社会学部・院生の女性割合は8割程度であるが、女性教員の割合は3割程度なので、今後女性教員の数を増やしていきたい。今後は文系も女性研究者育成の必要性があると話されました。


高見沢 恵美子 学長特別補佐・研究科長(看護学研究科)

高見沢 恵美子 学長特別補佐・研究科長(看護学研究科):
看護学研究科は女性の比率が90%以上を占めるため、育児休暇を取得しやすく、周りの人間がカバーするような環境を作っていて、周囲の同僚の支援がないと育児をしながら仕事を続けるのは難しいことをお話しされました。


高畑 進一 研究科長(総合リハビリテーション学研究科)

高畑 進一 研究科長(総合リハビリテーション学研究科):
研究科内の学生と教員の男女比について触れ、女性が支えている職場なのに女性が減っている現状を説明されました。原因は認識・人的環境・物的環境であり、学生を見ていて優秀であるのに仕事を続けられない人が多いので、センターの取り組みを全学的に行っていって欲しいと話されました。


高橋 哲也 副学長・高等教育推進機構長

高橋 哲也 副学長・高等教育推進機構長:
ご自身の経験から、若いころの研究者の待遇や、20年前のフランスでの女性の社会進出などのお話をされました。また日本では理系女性の割合が少ないのは文化的・社会的な問題にあって、文系理系を超えて交流できる機会を作っていくことの必要性を説明されました。


安保 正一 理事・副学長・地域連携研究機構長・21世紀科学研究機構長

安保 正一 理事・副学長・地域連携研究機構長・21世紀科学研究機構長:
企業だけでなく教育機関もグローバル化で厳しい状況であり、本学のグローバル化にもダイバーシティ推進が必要であることの説明をされました。また、21世紀科学研究機構の若い女性研究者の声を代弁されました。


寺迫 正廣 副学長・国際交流推進機構長

寺迫 正廣 副学長・国際交流推進機構長:
現在のグローバル化時代の現状を説明され、学生が積極的に世界へ出ていき、ダイバーシティの文化を学ぶべきだと言われました。本学の語学研修・交換留学・短期研究留学の女性参加者の割合について触れ、今後、異文化との交流が進むことの大切さを説明されました。


村田 忠男理事・総務部長

村田 忠男理事・総務部長:
事務職は女性の割合が高く、職員の法人採用に切り替えており、教職協働の土壌ができつつあることを説明されました。また本学が高度研究型大学を実現するためには多様・融合・国際という価値観が必要であるが、多様性・国際性が現在欠けており、実現できる仕組みの必要性について話されました。


奥野 武俊理事長・学長

奥野 武俊理事長・学長

最後に、奥野 武俊理事長・学長より、これからの女性研究者支援事業についてお話しいただきました。
IRISの活躍はたいへん嬉しく思い、長年の願いである学内保育所も達成できたことが印象深かった。大学なので、学問としても女性・男性・学生が共通認識していけるようにしていくことが大切であると思うし、女性研究者支援事業のようなプログラムは、大学として当然継続していくことを話されました。また、女性だけでなく、大学全体として学生を支援する新しい組織を作りたいと話されました。

【総括シンポジウム実行委員会】
委員長:田間 泰子(女性研究者支援センター長/人間社会学研究科 教授)
副委員長:杉村 延広(工学研究科 教授)・菅野 伊久央(総務人事課)
■実行委員(50音順)
浦川 真衣(教育推進課)・大角 泰史(地域連携研究推進課 地域連携室長)・大関 知子(総合リハビリテーション学研究科 准教授)・恩田 真紀(理学系研究科 准教授)・楠川 恵津子(工学研究科 助教)・児島 千恵(21世紀科学研究機構 講師)・田島 朋子(生命環境科学研究科 准教授)・玉城 舞(広報課)・中川 智皓(工学研究科 助教)・中澤 昌美(生命環境科学研究科 助教)・長畑 多代(看護学研究科 教授)・細越 裕子(理学系研究科 教授)・真嶋 由貴惠(工学研究科 教授)・森澤 和子(工学研究科 准教授)・若林 緑(経済学研究科 准教授)
■事務局
総合戦略課・女性研究者支援センター

アンケート結果

アンケート結果

【参加者の声】

  • 貴重なお話をありがとうございました。
    現在、私は大学院1年で、自分の進路を決める時期です。
    今回のシンポジウムは、本当に参考になるものでした。
    感想になってしまいますが、女性を支援するのに文系・理系は関係ないと思います。文系の方も、研究者なので支援対象であると感じました。
    全ての子育て研究者が支援される制度を強く望みます。
  • 男女・学生・教員・全ての人たちが、学業や仕事とプライベートを充実させられるよう、意識して進んで実行していく必要があると感じました。
  • このような企画に参加しない人にこそ、きいてもらいたい内容だったと思いました。
    どの事業が今後も継続可能か、多くの人をまきこんで考えなければいけないと思います。
  • 第1部の先進例の紹介も、大変おもしろかったですが、(午後に内山先生)特に、第2部のプログラムに感激しました。利用者の報告・部局長からのメッセージともに皆さんご自身の言葉で思いを語っておられたのを見て、センターが常に学内各部局との連携をはかる努力をされてきたからだと感じました。
    学長の今後、大学として恒常的に継続するという力強いお言葉も良かったです。
    来年度、本学も最終年度となりますので、またいろいろと教えて下さい。